ファイバーレーザーで(スペック上)の出力W(平均出力)を出す周波数は、パルスエネルギー(mJ)とレーザー出力から導き出せます。
パルスエネルギー(mJ)は、材料を変化させる力と解釈してください。
レーザーの平均出力は周波数(kHz)とパルスエネルギー(mJ)を掛け合わせたものになります。
当社の最もベーシックなエコノミックMOPAレーザー 30Wの場合、パルスエネルギー(mJ)は0.8mJです。
したがって、30(W)÷0.8(mJ)=37(37.5)kHzが 30Wを出力できる周波数になります。この周波数をしきい値とします。
ただし、周波数しきい値を超えると出力を維持するために、パルスエネルギー(mJ)は減少します。
例えば、50kHzにしたからといって、スペック上の30Wを超え、0.8(mJ) x 50kHz=40Wになるわけではありません。
この場合は、30(W)÷50kHz=0.6(mJ) のようにパルスエネルギーが減少します。
また、スペック上の周波数範囲内において、周波数しきい値を下回るとパルスエネルギーは保持されたまま、レーザーの平均出力が小さくなります。
計算は下記になります。
例:20kHz x 0.8(mJ)=16(W)
例:30kHz x 0.8(mJ)=24(W)
Qスイッチレーザーの場合、周波数範囲が狭いため周波数しきい値を下回る設定は行えませんので、パルスエネルギーが減少します。
エコノミックMOPAやMOPAレーザーの場合は、周波数範囲が広いので 平均出力を下げたり、パルスエネルギーを減少したりと調整範囲が広がります。
熱に弱い樹脂系材料にMOPAレーザーが適している所以がここにあります。
以下は、当社で扱っているレーザーソースのスペックとなります。ご参考ください。
ブランド | 種類 | パルス周波数(kHz) | 出力(W) | 最大パルスエネルギー(mJ) | 周波数しきい値 (最大出力) |
JPT | エコノミックMOPA | 1-600 | 20 | 0.80 | 25.0 |
1-600 | 30 | 0.80 | 37.5 | ||
1-600 | 50 | 1.25 | 40.0 | ||
MOPA | 1-4000 | 20 | 1.10 | 18.2 | |
1-4000 | 20 | 0.80 | 25.0 | ||
1-4000 | 30 | 0.80 | 37.5 | ||
1-4000 | 60 | 1.50 | 40.0 | ||
1-4000 | 80 | 2.00 | 40.0 | ||
1-4000 | 100 | 1.50 | 66.7 | ||
1-4000 | 120 | 1.50 | 80.0 | ||
Raycus | Qスイッチ | 30-60 | 20 | 0.66 | 30.3 |
40-60 | 30 | 0.75 | 40.0 | ||
20-60 | 20 | 1.00 | 20.0 | ||
20-60 | 30 | 1.00 | 30.0 | ||
50-100 | 50 | 1.00 | 50.0 |